もう、夢だけで終わらせない。日本一の夢の祭典「みんなの夢AWARD9」

2018年9月22日

【連載:歴代ファイナリストの声】vol.2 高校魅力化プロジェクト 藤岡慎二

藤岡慎二(ふじおか・しんじ)

北陸大学経済経営学部教授 地域連携センター長

株式会社Prima Pinguino 代表取締役
ソーシャルマネジメントカレッジ 学長

 

夢AWARD歴代のファイナリスト達は、夢を仕事にして輝く人ばかり。夢AWARDにエントリーして良かったことや、主催の渡邉美樹から学んだこと、また夢を叶えるのに大切なことを聞く「歴代ファイナリストの」シリーズ。今回は、みんなの夢AWARD5のファイナリスト、藤岡慎二さんにお話を伺いました。

 

――藤岡さんの現在の事業、また始められたきっかけについて教えてください。

 今の自分があるのは、親が良い教育を受けさせてくれたおかげだと思っています。教育に人生を捧げようと、大学時代は中高生を教える塾講師のアルバイトに力を入れ、大学院では大学生向けの起業家育成プログラムを考案。卒業が近づいて、自分の進路と向き合う時期が来た時に起業を勧められ、社会人経験も人脈もゼロの状態から株式会社GGC(現:Prima Pinguino)を起業しました。起業後は、高校生を対象にした推薦・AO入試向けのキャリア教育プログラムをコンテンツの柱にして、教育をテーマに開催されたエキスポに出展。そこでベネッセコーポレーションから仕事をもらえるという好スタートを切りました。

教育政策アドバイザーとして、自治体や教育機関と教育事業を行ってきました。やがては地域活性化事業も行う会社になっていくのですが、地域活性化を行うきっかけになったのは、秋田県能代市の高校に講師として呼ばれたとき、夕方に関係者と飲もうと繰り出した商店街のシャッターが2、3軒を除いてすべて閉じられていたことです。地方都市の寂しい様子に衝撃を受け、教育を通じて地域を元気にすることはできないかと考えるようになりました。

 

 そんな経験があった後、島根県・海士町にある隠岐島前高校の魅力化プロジェクトに携わっている岩本悠君にプロジェクトに参加しないかと声をかけられたのです。キャリア教育を通じて地域活性化を担う高校生を育てて、大学受験でも生徒の進路を実現して実績を出すプログラムを実践するのが依頼でした。人口が50年間で三分の一に減少した海士町では、隠岐島前高校の生徒数も減り続けていました。高校がなくなると、高校に子どもを通わせるために家族そろって島を出ることになります。地域を存続させるためには、高校を魅力化させることが必要だと気づき、海士町で高校教育の革新に挑戦しました。年を追うごとに海士町で廃校寸前の高校が復活していき、島全体の人口も増えてきました。隠岐島前高校をモデルにして、今は全国の高校で自治体とともに魅力化プロジェクトを実施しています。

――夢アワードに出て得られたことはありますか?

 事業を進めていく中で、経営者としての壁にぶつかることも多々ありました。僕は発散型のリーダーなのですが、やりたいことや妄想がたくさんある僕に、社員がついてこられなくなっていました。社員がついてこられなかったりやる気を持てなくなったら会社は終わりです。夢アワードを主催される渡邉美樹代表から「選択と集中」というアドバイスをいただいてから、僕と社員のやりたいことに集中しました。少ない労力で成果を出すには、資源を投入する分野を選択し、集中しなければなりません。集中したところから、成功体験が生まれて、今度は社員からもやりたいことが生まれるようになっていきました。

 

 もう一つ、渡邉代表から教わったことは、「時流に乗ること」でした。どんなに頑張っても流れはあるし、逆らえないのは常だと。元々僕は地域に興味があったわけはないのです。でも岩本悠君や、友人で地域活性化に取り組んでいる子など、本気の人たちが目の前に現れました。そして本気で物事を変えようとしている彼らに憧れました。本気で取り組んでいる人がいるというのは、地域活性化が時流だからなのかもしれません。

みんなの夢AWARD過去のファイナリストとプロデューサーとの合宿

 

――藤岡さんが考える、夢を叶えるのに必要なことはなんでしょう?

本気の人に憧れていて、いつしか僕も本気の人になっていました。ある町の町長と本気でぶつかってしまったことがあって落ち込んでいたのですが、そこから町長始め町の人が本気で動きだしてくれたことがありました。夢を叶えるのに大切なことは、本気で相手にぶつかり、常に真摯でいることなのかもしれません。